アメリカのタックスリターン:還付金の受取り方法・還付金ステータス確認などについて

Published On: 01/15/2024By

タックスリターンを申告する多くの納税者が関心を持っていることは、還付金【Refund】ではないでしょうか

アメリカのタックスリターンにおける還付金とは、給与から源泉徴収された税金【Withholding】や予定納税により納付した税金【Estimated Tax】などの合計額が、タックスリターンにより算出された、本来納めるべき所得税より多い場合、その差額が「還付金」としてタックスリターン申告者に返ってくることです。

この記事では還付金ステータスの確認方法、申請方法の違いによる還付金の発行タイミングなど、アメリカのタックスリターンにおける還付金について解説していきます。また、最後にタックスリターンの還付金について、よく受ける質問もまとめていますので、ご参考になれば幸いです。

なお、この記事では、米国内国歳入庁【Internal Revenue Service, or IRS】を「IRS」と称します。

注意点

提出したタックスリターンに、還付可能なクレジット【Refundable Credit】である、「Earned Income Tax Credit」または「Additional Child Tax Credit」が申告されている場合、還付金の発行が2024年2月27日からとなります。

還付金の受取方法について

タックスリターンによる還付金の受取方法は、「銀行口座に自動振り込み」と「小切手(チェック)での受け取り」の2つの方法があります。

銀行に自動振り込みする方法

アメリカのタックスリターンによる還付金を銀行口座に自動振り込みする方法は、タックスリターンにご希望の米国銀行口座情報を記載し、その銀行口座に還付金が自動的に振り込まれる方法です。電子申請によりタックスリターンを提出すると、記載した銀行口座へ還付金が21日以内に振り込まれます。

銀行自動振り込みをご希望の方は、タックスリターンに以下の米国銀行情報を入力する必要があります。

  • 米国の銀行名

  • 口座番号Account Number
  • 銀行コードRouting Number

  • 口座の種類Account Type

    • CheckingSavingなど

上記の口座番号【Account Number】や銀行コード【Routing Number】は、米国銀行のオンライン口座にログインすることで確認することができます。もしくは、その口座の小切手(チェック)を確認すると、以下の箇所に口座番号と銀行コードが記載されています。

注意点

タックスリターンによる還付金を米国外の銀行口座に振り込むことはできません。

小切手での受け取り

小切手(チェック)により還付金を受け取る方法は、タックスリターン申告者が米国の銀行口座を保有していない場合や、銀行口座に還付金の自動振り込み手続きができない場合に利用される方法で、タックスリターンに記載している住所に還付金の小切手が郵送されます。還付金の小切手の有効期限は、小切手の発行日から1年間となります。

この方法は、銀行自動振り込みに比べると時間がかかり、小切手が間違った住所に郵送される場合や、郵送中に小切手を紛失してしまう可能性もあります。引越しする方や日本に帰国する方は、還付金の小切手を確実に受け取ることができるよう、タックスリターンに記載している住所を必ず再確認してから提出しましょう。

還付金ステータスの確認方法

アメリカのタックスリターンによる還付金のステータスを確認したい方は、IRSが管理している「Where's My Refund?」というWebサイトにて、納税者の基本情報と提出したタックスリターンの情報を入力することにより、還付金のステータスを確認することができます。

IRSサイト: Where's My Refund?

Where's My Refundで必須となる情報

タックスリターンの還付金ステータスを確認するために「Where's My Refund?」をご利用する場合、以下の情報が必要となります。

  • 米国納税者番号【ソーシャルセキュリティー番号もしくは個人納税者番号 (ITIN)】

  • 確認したいタックスリターンの年度【2021年から2023年まで確認可能】

  • 申告ステータス【SingleやMarried Filing Jointlyなど】
  • 還付金額

Where's My Refundに反映されるタイミング

提出したタックスリターンが「Where's My Refund?」に反映されるタイミングは、以下のとおりです。

2023年度のタックスリターンを提出した場合

  • 電子申請:24時間以内

  • 郵送申請:最低4週間

2021年度と2022年度のタックスリターンを提出した場合

  • 電子申請:3日から4日以内

  • 郵送申請:最低4週間

ポイント

もし、修正申告を提出した場合、「Where's My Amended Return?」を利用すると修正申告のステータスが確認できます。

IRSサイト: Where's My Amended Return?

タックスリターンの申請方法による違い

タックスリターンの申請方法は、「電子申請」と「郵送申請」の2つの方法があり、申請方法により、還付金を受け取るまでの時間が大きく変わります。

電子申請した場合

アメリカのタックスリターンを電子申請した場合、提出したタックスリターンの情報が数日中に処理されますので、還付金を早く受け取ることができます。もし提出したタックスリターンに問題がある場合、還付金の発行が遅れることがあります。

タックスリターンの内容によっては、電子申請ができない場合もあります。例えば、米国納税者番号【ITIN, or Individual Tax Identification Number】の申請をタックスリターンと一緒に行う場合、電子申請ができませんので、郵送で申告しなければなりません。

郵送申請した場合

アメリカのタックスリターンを郵送申請した場合、郵送したタックスリターンの情報をIRSが処理するのに最低4週間の時間を要します。場合によっては、6カ月から1年かかることもあります。

郵送申請を行う場合、電子申請に比べると時間がかかるだけでなく、郵送したタックスリターンが紛失してしまう可能性もあるため、郵送申請を行う場合、延長申請も一緒に行うことをお勧めいたします。

延長申請について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

記事:延長申請について

ポイント

タックスリターンをIRSへ郵送する場合、「Certified mail with a return receipt」で郵送することをお勧めいたします。

Certified mail」でタックスリターンを郵送することにより、追跡番号【Tracking Number】が付きますので、配達状況をオンラインで確認することができ、「Return receipt」を追加することにより、郵送したタックスリターンをIRSが受理したことを証明する書類が差出人のもとに送られます。

還付金についてよくある質問

アメリカのタックスリターンによる還付金について、よく受けるご質問をまとめました。

Q.

アメリカのタックスリターンを提出する際に入力した米国銀行口座情報を間違えてしまいました。還付金はどうなりますか?

A.

その場合、タックスリターンに記載している住所に還付金の小切手(チェック)が郵送されます。

Q.

アメリカのタックスリターンに正しく米国銀行口座情報を入力しましたが、還付金の小切手(チェック)を受け取りました。なぜ還付金小切手が発行されたのでしょうか。

A.

理由としては、金融機関とIRSとの間で何かしらの問題が発生したと考えられますが、特に理由もなく還付金の小切手(チェック)を郵送することもあります。

Q.

アメリカのタックスリターンの還付金を待っていましたが、IRSから「Letter 5071C」という手紙を受け取りました。これは何ですか?また、どうしたら良いのでしょうか?

A.

「Letter 5071C」は、IRSが納税者にタックスリターンによる還付金を発行する前に、本人確認を行うために郵送される手紙です。

「Letter 5071C」を受け取った場合、その手紙に記載しているWebサイトに行き、提出したタックスリターンについての質問に答える必要があります質問に正しく答えると、本人確認が完了となりますので、還付金が発行されます。

Q.

タックスリターンの還付金小切手(チェック)の有効期限(1年間)が切れてしまいました。どうしたら良いでしょうか?

A.

還付金小切手(チェック)の有効期限が切れてしまった場合、IRSから還付金小切手の再発行に関する通知書を受け取るか、ご自身で小切手の再発行手続きを行う必要があります。

Q.

郵送してからかなり時間が経ちましたが、「Where's My Refund」に全く反映されません。どうしたら良いですか?

A.

タックスリターンを郵送により申請した場合、「Where's My Refund」に反映されないことは、よく起きる問題です。

もし、以下の3つの条件をすべて満たしている場合、もう一度タックスリターンを提出する必要があります。

  • 1

    6カ月前に提出している

  • 2
    提出したタックスリターンに還付がある
  • 3

    Where's My Refund?」に反映されていない

Q.

日本に在住しており、IRSから還付金の小切手(チェック)を受け取りました。どうしたら良いでしょうか?

A.

もし、日本に在住しており、米国銀行口座をお持ちである場合、その銀行のモバイルアプリを使い、小切手の写真を撮ることで還付金チェックを口座に入金することができます。

もし、日本に本帰国し、米国銀行口座を解約してしまっている場合、まずはご利用されている日本の銀行に、海外発行の小切手を入金することが可能であるかをご確認いただく必要があります。

多くの日本の銀行は、海外発行の小切手を取り扱っていませんが、現時点では、SMBC信託銀行プレスティアが海外発行の小切手を取り扱っているようなので、もっと詳しく知りたい方は、以下のサイトをご覧ください。

SMBC信託銀行プレスティア: 海外発行の小切手を買取/取立について

この記事では、複雑な米国の税法やルールをなるべく分かりやすくご理解いただく目的でお伝えしています。納税者の状況により、異なるケースもございますので、予めご了承ください。

玉崎会計事務所(英名: ATMT CPA Firm)は、日本および全米各地で活躍するお客様向けに、アメリカのタックスリターンおよび中小企業への会計・税務専門事務所としてサービスを提供しており、わかりやすい説明と親身なアドバイスによって、アメリカで信頼される米国公認会計事務所を目指しています。

米国内国歳入庁【Internal Revenue Service, or IRS】が、アメリカの個人タックスリターンの受付を2024年1月29日から開始すると発表しました。もし、アメリカの個人タックスリターン・サービスや会計サービスをご希望の方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。

初回相談料は無料です!

お気軽にお問い合わせください。

電話でのお問い合わせ

Tel: 1+(864)349-6800

受付時間 9:00∼18:00 [米国東部時間]*

[土・日・祝日を除く]

メールでのお問い合わせ

お問い合わせ →

*土・日・祝日や、 平日の18:00以降のご相談も承っております。

まずはお問い合わせフォームからご希望の時間をお知らせください。