マサチューセッツ州の税制改正について
2023年10月4日にマサチューセッツ州にて減税を目的とした税制改正が成立しました。約20年ぶりの減税目的の税制改正となります。この税制改正の施行は2024年度となります。
この記事では、マサチューセッツ州の個人確定申告でよく使われる項目に絞って紹介していきたと思います。
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マサチューセッツ州個人確定申告では、居住している納税者がお支払いしている賃貸費に対して、Rental Deductionの控除が認められます。
今までは、最高で$3,000のRental Deduction (賃貸費控除)が認められていましたが、今回の税制改正により、最高額が$4,000となりました。
このRental Deductionは、マサチューセッツ州個人確定申告のForm 1のLine 14に位置します。
Rental Deductionの計算方法は以下の通りです。
Total Rent Paid ÷ 2 = $xxxx、もしくは$4,000 (どちらか低い方が控除となります。)
マサチューセッツ州個人確定申告では、Short-Term Capital Gainに対する税率が12%となっていましたが、今回の税制改正により、8.5%となりました。
Short-Term Capital Gainとは、保有した資産 (例えば、証券)を一年以内に売却した場合に発生する売買差益です。このShort-Term Capital Gainは、マサチューセッツ州個人確定申告のForm 1のLine 23に位置します。
マサチューセッツ州の一般所得に対する税率は5%ですが、Short-Term Capital Gainに対する税率が12%となり、2倍以上の税率となっている事で有名でした。
今回の税制改正により、8.5%となりましたので、証券口座にて頻繁に取引を行う方にとっては、うれしい税制改正となります。
マサチューセッツ州個人確定申告では、連邦確定申告にて、低所得者用のクレジット "Earned Income Tax Credit"を受け取った納税者に、そのクレジットの30%をマサチューセッツ州個人確定申告書でも控除されるようになっています。
今回の税制改正により、この30%が40%へと変更となりました。例えば、連邦確定申告のEarned Income Tax Creditが$3,500の場合、$1,400 ($3,500 x 40%)がマサチューセッツ州個人確定申告書でもクレジットとして控除されます。従来の30%の場合、$1,050 ($3,500 x 30%)のクレジットとなりますので、税法改正により、$350の増加となります。
このクレジットは還付可能 (Refundable)ですので、低所得者にとっては還付が増える可能性があります。
このクレジットは、マサチューセッツ州個人確定申告のForm 1のLine 43に位置します。
よくある質問
日本に居住していた場合、Earned Income Tax Creditを受けられますか?
Earned Income Tax Creditを受け取るためには、米国に6カ月以上滞在する必要があります。これを知らずに申告してしまい、IRSから手紙を受け取る方が多くいますので、注意してください。
マサチューセッツ州個人確定申告では、扶養家族につき、Child and Family Creditを受け取ることができます。
今回の税制改正により、扶養家族一人につき$180だったクレジットが、2023年度から$310に変更となり、2024年度からは$440に増加します。さらに、このクレジットには扶養数の制限が2人までと制限がかかっていましたが、今回の税制改正により、この扶養数の制限を撤廃しましたの。
例えば、扶養家族が3人いる場合、新しい税法では、$1,320 ($440 x 3)のクレジットを受け取ることができます。従来の税法ですと、$360 ($180 x 2)までとなり、クレジットが大きくなりました。
このクレジットも還付可能 (Refundable)で、マサチューセッツ州の政府によると、約565,000の世帯に有益な結果となると言われています。
マサチューセッツ州個人確定申告のForm 1のLine 46に位置します。