2025年度から期間限定でアメリカでのチップ所得が最大2.5万ドルまで非課税!

Published On: 01/22/2026By

2025年7月4日に可決された「Big Beautiful Bill法(以下、BBB法)」の中でも、アメリカでチップを受け取る仕事に従事する方にとって、もっとも注目されているのが「チップ所得の控除​​​​​」です。

2025年度から2028年度までの期間限定で、年間最大$25,000までのチップ所得が控除(実質非課税化)されることになりました。 ただし、すべてのチップが無条件で対象になるわけではなく、「業種の指定​​​​」や「任意​​​」のチップであることなどのルールが存在しますので注意が必要です。

この記事では、サーバーやドライバーなど、チップ収入がある方が知っておくべき新ルールについて解説します。

チップ所得控除の概要

まずは、この新しい制度の概要をまとめましたので、ご確認くださいませ。

制度の概要

  • 適用期間:2025年~2028年まで

  • 最大控除:$25,000まで

  • 対象者 :「特定の業種」で「任意」によるチップを受け取っている方

  • 所得額 (MAGI)による控除制限あり

「特定の業種」のリスト

特定の業種とは、IRSが定める「すでにチップの受け取りが慣例化していた」業種の分類を指します。

IRSが公表したガイダンス (Notice 2025-69) に基づく対象業種は以下のとおりです。混乱を避けるため英語で表記させていただきます。

  • Beverage and Food Service (レストラン系)

  • Entertainment and Events (イベント系)
  • Hospitality and Guest Services (ホテル系)
  • Home Services (ハウスキーピング系)
  • Personal Services (ベビーシッター系)
  • Personal Appearance and Wellness (ネイルやフィットネス系)
  • Recreation and Instruction (アウトドアやコーチ系)

  • Transportation and Delivery (ライドシェアや配達系)

ご自身の業種がチップ控除の対象であるか定かでない場合は、以下のサイトをご参照ください。

[参照Occupations That Customarily and Regularly Received Tips]

注意点

ミュージシャン、アーティスト、エンターテイナーが受け取るチップは、チップ控除の対象外となります。

「任意」によるチップとは?

「任意」によるチップとは、お客様が自発的(Voluntarily)に支払ったチップのことです。

最近、レストランの会計でよく見られる「Service Fee(サービス料) 20%」など、予めレシートに含まれている場合、これは「強制的なチップ」とみなされるため、今回のチップ控除の対象にはなりません。

控除として認められるチップ​

  • 伝票のTip欄にお客様が手書きした金額、または現金のチップ

控除として認められないチップ

  • 店側が強制的に加算した「Service Charge」や「Automatic Gratuity」

Form W-2のどこに記載されるのか?

「自分のチップがいくら控除対象として報告されているか」は、雇用主から発行されるForm W-2で確認することができます。

1月下旬ごろに受け取る「Form W-2」では、以下の赤いボックス (Box 12)に「Code TP」とチップ所得額が記載される予定ですので、その分がチップ控除の対象額となります。

所得制限(MAGI)について

高所得者の場合、この控除は段階的に減額(Phase-out)されます。 ここでのMAGI(修正調整後総所得)には、チップ所得自体も含まれる点にご注意ください。

  • Single, Head of Household, Married Filing Separately:

    MAGIが$150,000からPhase-out*され、$400,000を超えると限度額が$0となります。

  • Married Filing Jointly:

    MAGIが$300,000からPhase-out*され、$550,000を超えると限度額が$0となります。

*ここでのPhase-outは、所得額がある一定額を上回ると段階的に控除額が減額されることです。

[例え #1] 所得制限がない場合

フロリダ州在住のAさん(グリーンカード保持者)は、レストランのサーバーとして働いており、独身(Single)ステータスでタックスリターンを提出するとしましょう。

以下は、Aさんの「MAGI」と「チップ所得」の内訳です。

  • MAGI:$100,000 (内チップ所得$20,000)

AさんのMAGIは、Phase-outの$150,000を下回っているため、受け取ったチップ所得 ($20,000)を全額控除することができます。

[例え #2] 所得制限により減額される場合

ニューヨーク州在住のAさん (グリーンカード) は、バーテンダーとして仕事をしており、2025年度のタックスリターンを独身(Single) ステータスでタックスリターンを提出するとしましょう。

以下は、Aさんの「MAGI」と「チップ所得」の内訳です。

  • MAGI:$200,000 (内チップ所得$25,000)

AさんのMAGIは、Phase-outの$150,000を上回っているため、控除できるチップ所得は$20,000となります。算出方法は以下のとおりです。

  • 1

    $200,000 (MAGI) - $150,000 (Phase-out) = $50,000

  • 2

    $50,000 ÷ $1,000 (規定額) = 50 Units

  • 3

    50 Units x $100 (規定額) = $5,000 (減額)

  • 4

    $25,000 (チップ最大控除額) - $5,000 (減額) = $20,000 (控除可能額)

この記事では、複雑な米国の税法やルールをできる限り分かりやすくご理解いただく目的でお伝えしています。ただ、納税者の状況により、異なるケースもございますので、予めご了承ください。

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