[2025年度] 米国個人タックスリターン – 基礎控除 & 65歳以上の追加控除について

Published On: 12/31/2025By

2025年7月4日、Big Beautiful Bill法 (以下、BBB法) の可決により、2025年度から基礎控除 (Standard Deduction) が増額されるほか、65歳以上の納税者には「$6,000」の追加控除が付与されることになりました。

この記事では、多くの納税者に関係する「基礎控除の変更点」と、65歳以上の納税者に向けた「新たな税優遇措置」について解説します。​

基礎控除 (Standard Deduction)とは?

基礎控除とは、納税者の申告ステータス (Filing Status)に応じて、所得額から差し引くことができる一定の控除額のことです。通常、アメリカのタックスリターンでは、以下のいずれか金額が大きい方を控除額として選択します。

  • 基礎控除 :連邦政府が定めた一律控除額

  • 項目別控除:医療費、寄付、州税などの合計額

注意点

  • 米国非居住者 (U.S. Nonresident Alien)で申告される場合は、基礎控除が適用されませんが、項目別控除の一部 (州所得税や寄付など) が適用されます。

  • もし夫婦別で申告されている場合、双方の申告書が同じ控除を選択している必要があります。よって、一方が基礎控除を使った場合、もう一方も基礎控除を使う必要があります。

[2025年度] 基礎控除の変更点

以下は各申告ステータスによる2025年度基礎控除の比較表です。

BBB法により基礎控除額が旧税法 (TCJA)より増額されました。また、基礎控除はインフレ調整 (Adjusted for inflation)の対象であるため、基礎控除額が毎年増額されます。

65歳以上には「$6,000」の追加控除

BBB法により、2025年度から2028年度までの期間限定で、65歳以上である納税者に対する税優遇制度として、$6,000の控除が追加されました。

この控除の最大の特徴は、基礎控除・項目別控除とは別に「$6,000」の控除が追加されることです。​​​通常、基礎控除・項目別控除以外の追加控除は制限されることが多いですが、この制度は多くのシニア層にとって節税できるチャンスとなります。

また、この追加控除は、納税者1人に対して付与されるものです。よって、夫婦合算で申告されており、夫婦ともに65歳以上である場合は、合計で$12,000 ($6,000 x 2人)の控除が追加されます。

制度の概要

  • 適用期間:2025年~2028年

  • 控除の額:$6,000/納税者

  • 対象者 :65歳以上の米国居住者​​

  • 所得額による控除制限あり

もし項目別控除 (Itemized Deduction)を選択されていても、$6,000の追加控除は適用されます。

MAGIによる控除の制限について

この「$6,000」の追加控除には所得制限が設けられており、「MAGI」が一定額を超えると、控除額が段階的に減額 (Phase-out) されます。

  • 独身・その他 (Single/Head of Household)

    MAGIが$75,000からPhase-out*され、$175,000を超えると控除額が$0となります。

  • 夫婦合算申告 (Married Filing Jointly)

    MAGIが$150,000からPhase-out*され、$250,000を超えると控除額が$0となります。

*Phase-outとは、所得額がある一定額を上回ると段階的に控除の上限額が減額されることです。

MAGIとは?

ここで使われている「MAGI」は、BBB法独自のMAGIとなります。簡単なサマリーは以下のとおりです。

  • アメリカに居住している納税者の場合:

    BBB法の所得基準値として使われる「Modified Adjusted Gross Income」は、一般的にAdjusted Gross Incomeと同じである。

  • 日本に住んでいる米国納税者の場合:

    米国外労働所得控除 (Foreign Earned Income Exclusion)を使っている場合は、控除された分を加算することでBBB法のMAGIを算出することができる。

BBB法独自のMAGIについて詳しく知りたい方は、以下のWebサイトをご確認ください。

(参照米国個人タックスリターン – Big Beautiful Bill (BBB法)とMAGIについて)

[例え] 65歳以上の追加控除

Aさん(米国市民: 65歳)とBさん(グリーンカード: 65歳)がアメリカのタックスリターンを夫婦合算 (Married Filing Jointly)で申告したとしましょう。

MAGIが$150,000であった場合

MAGIがPhase-out以下であるため、$12,000($6,000 x 2人)の控除が追加されます。

MAGIが$200,000であった場合

MAGIがPhase-outを超えていますが、限度額($250,000)を下回りますので、1人につき追加される控除額が$3,000に制限されます。算出方法は以下のとおりです。

  • 1

    $200,000 (MAGI) - $150,000 (Phase-out) = $50,000

  • 2

    $50,000 x 6% (規定率) = $3,000 (減額)

  • 3

    $6,000 (追加控除) - $3,000 = $3,000 (上限額)

よって、$6,000($3,000 x 2人)の控除額が適用されます。

節税ポイント

この追加控除が適用されるのは3年間 (2025年から2028年)だけ​​です。​リタイアメント口座からの引き落とし額、年金額などをしっかりと把握し、できる限り満額控除できるようにプランニングを行うことをお勧めいたします。​

この記事では、複雑な米国の税法やルールをなるべく分かりやすくご理解いただく目的でお伝えしていますが、納税者の状況により、異なるケースもございますので、予めご了承ください。

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