FinCEN BOI Reportingについて
2024年1月1日から、企業透明化法 (Corporate Transparency Act)により、アメリカでビジネスを展開している米国内法人や米国外法人に対して、実質的所有者報告書 (Beneficial Ownership Information Reporting、以下BOI Reporting) を米国金融犯罪取締ネットワーク (Financial Crimes Enforcement Network、以下FinCEN) に報告することが義務付けられました。
BOI Reportingの目的は、アメリカで展開している会社と、その会社の受益者を把握し、シェルカンパニーを利用した資金洗浄や、会社の構造を不正に利用し、利益を隠蔽することを防ぐためです。
この報告書は情報開示書ですので、報告することにより税金が発生することはありませんが、報告漏れである場合や、期限内に報告できなかった場合、厳しい罰則と罰金が科せられる可能性があるため注意が必要です。すでにアメリカで会社を経営されている方や、これからアメリカで会社の設立を計画されている方も、このBOI Reportingに該当する可能性が高いので、報告対象の条件や、期限を把握しておくことで未報告による罰則を避けることができますので、参考になれば幸いです。
注意点
このように罰則のある報告義務が新しく成立されると、FinCENやIRSを装った架空の手紙やメール詐欺が横行します。もしFinCENやIRSからBOI Reportingについて通知書を受け取りましたら、必ず専門家にご相談ください。
BOI Reportingの対象となる事業形態
ポイント
「州政府機関に事業登録している」とは、会社を設立する場合や、事業展開する際に、州務長官(Secretary of State)に定款 (Article of IncorporationやArticle of Organization) などの申請書類を提出していることです。
例えば、フロリダ州で事業展開をしている外国法人である場合、フロリダ州のDivision of Corporationsに「Application for Authorization to Transact Business」を申請しますので、その法人は、州政府機関に事業登録をしていることになります。
BOI Reportingの報告期限
未報告による罰金について
BOI Reporting - 必須情報
受益所有者 (Beneficial Owner)
受益所有者とは、会社の責任者 (CEOやCFOなど)、役務を執行する者、会社の所有権を直接、もしくは間接的に25%以上保有している者のことです。複数人いる場合は、それぞれの情報を記載する必要があります。
報告免除となる会社
この記事では、複雑な米国の税法やルールをなるべく分かりやすくご理解いただく目的でお伝えしています。納税者の状況により、異なるケースもございますので、予めご了承ください。
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