アメリカのタックスリターン:還付金の受取り方法・還付金ステータス確認などについて
タックスリターンを申告する多くの納税者が関心を持っていることは、還付金【Refund】ではないでしょうか。
アメリカのタックスリターンにおける還付金とは、給与から源泉徴収された税金【Withholding】や予定納税により納付した税金【Estimated Tax】などの合計額が、タックスリターンにより算出された、本来納めるべき所得税より多い場合、その差額が「還付金」としてタックスリターン申告者に返ってくることです。
この記事では、還付金ステータスの確認方法、申請方法の違いによる還付金の発行タイミングなど、アメリカのタックスリターンにおける還付金について解説していきます。また、最後にタックスリターンの還付金について、よく受ける質問もまとめていますので、ご参考になれば幸いです。
なお、この記事では、米国内国歳入庁【Internal Revenue Service, or IRS】を「IRS」と称します。
注意点
提出したタックスリターンに、還付可能なクレジット【Refundable Credit】である、「Earned Income Tax Credit」または「Additional Child Tax Credit」が申告されている場合、還付金の発行が2024年2月27日からとなります。
還付金の受取方法について
タックスリターンによる還付金の受取方法は、「銀行口座に自動振り込み」と「小切手(チェック)での受け取り」の2つの方法があります。
アメリカのタックスリターンによる還付金を銀行口座に自動振り込みする方法は、タックスリターンにご希望の米国銀行口座情報を記載し、その銀行口座に還付金が自動的に振り込まれる方法です。電子申請によりタックスリターンを提出すると、記載した銀行口座へ還付金が21日以内に振り込まれます。
銀行自動振り込みをご希望の方は、タックスリターンに以下の米国銀行情報を入力する必要があります。
上記の口座番号【Account Number】や銀行コード【Routing Number】は、米国銀行のオンライン口座にログインすることで確認することができます。もしくは、その口座の小切手(チェック)を確認すると、以下の箇所に口座番号と銀行コードが記載されています。
注意点
タックスリターンによる還付金を米国外の銀行口座に振り込むことはできません。
小切手(チェック)により還付金を受け取る方法は、タックスリターン申告者が米国の銀行口座を保有していない場合や、銀行口座に還付金の自動振り込み手続きができない場合に利用される方法で、タックスリターンに記載している住所に還付金の小切手が郵送されます。還付金の小切手の有効期限は、小切手の発行日から1年間となります。
この方法は、銀行自動振り込みに比べると時間がかかり、小切手が間違った住所に郵送される場合や、郵送中に小切手を紛失してしまう可能性もあります。引越しする方や日本に帰国する方は、還付金の小切手を確実に受け取ることができるよう、タックスリターンに記載している住所を必ず再確認してから提出しましょう。
還付金ステータスの確認方法
アメリカのタックスリターンによる還付金のステータスを確認したい方は、IRSが管理している「Where's My Refund?」というWebサイトにて、納税者の基本情報と提出したタックスリターンの情報を入力することにより、還付金のステータスを確認することができます。
IRSサイト: Where's My Refund?
タックスリターンの還付金ステータスを確認するために「Where's My Refund?」をご利用する場合、以下の情報が必要となります。
提出したタックスリターンが「Where's My Refund?」に反映されるタイミングは、以下のとおりです。
2023年度のタックスリターンを提出した場合
2021年度と2022年度のタックスリターンを提出した場合
ポイント
もし、修正申告を提出した場合、「Where's My Amended Return?」を利用すると修正申告のステータスが確認できます。
IRSサイト: Where's My Amended Return?
タックスリターンの申請方法による違い
タックスリターンの申請方法は、「電子申請」と「郵送申請」の2つの方法があり、申請方法により、還付金を受け取るまでの時間が大きく変わります。
アメリカのタックスリターンを電子申請した場合、提出したタックスリターンの情報が数日中に処理されますので、還付金を早く受け取ることができます。もし提出したタックスリターンに問題がある場合、還付金の発行が遅れることがあります。
タックスリターンの内容によっては、電子申請ができない場合もあります。例えば、米国納税者番号【ITIN, or Individual Tax Identification Number】の申請をタックスリターンと一緒に行う場合、電子申請ができませんので、郵送で申告しなければなりません。
アメリカのタックスリターンを郵送申請した場合、郵送したタックスリターンの情報をIRSが処理するのに最低4週間の時間を要します。場合によっては、6カ月から1年かかることもあります。
郵送申請を行う場合、電子申請に比べると時間がかかるだけでなく、郵送したタックスリターンが紛失してしまう可能性もあるため、郵送申請を行う場合、延長申請も一緒に行うことをお勧めいたします。
延長申請について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
記事:延長申請について
ポイント
タックスリターンをIRSへ郵送する場合、「Certified mail with a return receipt」で郵送することをお勧めいたします。
「Certified mail」でタックスリターンを郵送することにより、追跡番号【Tracking Number】が付きますので、配達状況をオンラインで確認することができ、「Return receipt」を追加することにより、郵送したタックスリターンをIRSが受理したことを証明する書類が差出人のもとに送られます。
還付金についてよくある質問
アメリカのタックスリターンによる還付金について、よく受けるご質問をまとめました。
この記事では、複雑な米国の税法やルールをなるべく分かりやすくご理解いただく目的でお伝えしています。納税者の状況により、異なるケースもございますので、予めご了承ください。
玉崎会計事務所(英名: ATMT CPA Firm)は、日本および全米各地で活躍するお客様向けに、アメリカのタックスリターンおよび中小企業への会計・税務専門事務所としてサービスを提供しており、わかりやすい説明と親身なアドバイスによって、アメリカで信頼される米国公認会計事務所を目指しています。
米国内国歳入庁【Internal Revenue Service, or IRS】が、アメリカの個人タックスリターンの受付を2024年1月29日から開始すると発表しました。もし、アメリカの個人タックスリターン・サービスや会計サービスをご希望の方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。
参考文献